横領・着服 ~税務申告時こそ要注意!~

今の時代においても、横領事件の発覚が相次いでいます。刑事事件に発展し、一般に報道され周知の事実として知られるものは被害額が巨額である場合などごく一部です。大半の会社で大なり小なり横領の問題が発生し、経営者は常々その対策に頭を悩ませているのが現状です。

 億単位以上の被害額が出た事例を検証してみても、横領の手口は単純そのものです。経理の責任者が、会社の口座から預金を引き出し着服する手口が大半を占めています。しかし、単純な手口の割に横領事件は発覚するまで非常に時間がかかります。

 

一般社員が単に預金を引き出すだけなら、帳簿上明らかな不自然さが出るため発見されやすいのですが、経理の責任者が売り上げを未計上、もしくは架空の支出を計上し、その金額を横領する場合は発見が困難になります。架空経費や売上除外は、脱税の手口と全く同様です。

 

  ここで、ポイントです。見方を変えれば、税務申告の場面は、社員の横領・着服を発見するには好都合ということです。

税務申告の終了後「税務署による税務調査時に、署員が横領を発見することも多々ある」(国税OB税理士)と発言しています。

しかしながら、架空経費の計上や売り上げの除外を行った場合、実際の所得は申告額より大きくなり、発覚すれば税金の追徴が行われることになります。損金に被害額を計上できれば税額は増えない可能性もありますが、残念ながらこれは認められていません。横領の被害額には損金性がありますが、会社は同時に横領を行ったものに対する損害賠償請求権を得る事が出来るため、会計上は両建てとなり損益がないからです。

通達では「他の者から支払を受ける損害賠償金」は、「法人がその損害賠償金の額について実際に支払を受けた日の属する事業年度の益金の額に算入」することも認めるとしています。しかしながら、実際は会社内の従業員の場合、「他の者」と認められず、損害賠償金の益金算入は横領時の発生時とされる可能性が高いのが現状です。


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