業務の遂行上必要と認められる旅行と認められない旅行とを併せて行った場合

ひきつづき、社長が海外視察旅行等を行う場合の注意点として、税務上の取り扱いを確認していきたいと思います。前回は、税務上の海外渡航費の基本的な取扱いについて確認しました。今回は、一般的にもっとも多いケースと思われる視察旅行等に観光旅行が混ざっているケースの税務上の取り扱いを確認したいと思います。

 法人税法基本通達9--9では、法人の役員又は使用人が海外渡航をした場合にいおいて、その海外渡航の旅行期間にわたり法人の業務の遂行上必要と認められる旅行と認められない旅行とを併せて行ったものであるときは、その海外渡航に際して支給する旅費を法人の業務の遂行上必要と認められる旅行の期間と認められない旅行の期間との比等によりあん分し、法人の業務の遂行上必要と認められない旅行に係る部分の金額については、当該役員又は使用人に対する給与とするとされています。具体的には次のように定められています(個別通達「海外渡航費の取り扱いについて」)

1.損金算入額の計算の方法

課税上弊害のない限り、その旅行に通常要する費用の額に、旅行日程の区分による業務従事割合(※1)を基礎とした損金算入の割合(以下損金当算入割合(※2)という)。を乗じて計算した金額を旅費として損金の額に算入する。ただし、次に揚げる場合には、それぞれ次による。

(1)損金等算入割合が90%以上:その旅行に通常要する費用の額の

全額を旅費として損金の額に算入する。

(2)損金等算入割合が10%以下:その旅行に通常要する費用の額の   

全額を旅費として損金の額に算入しない。

(3)業務従事割合が50%以上:その旅行に通常要する費用の額を

  「往復の交通費の額(業務を遂行する場所までのものに限る。)」

   とその他の費用の額」とに区分し、「その他の費用の額」に損金

   等算入割合を乗じて計算した金額と「往復の交通費の額」との合

   計額を旅費として損金の額に算入する。  

4)参加者のうち別行動をとった者等個別事情のある者がいる場合、

その者については、個別事情を斟酌して業務従事割合の算定を行う。

1 業務従事割合

         業務従事割合は、旅行日程を「視察等の業務に従事したと 

認められる日数」、「旅行日」及び「その他」に区分し、

次の算式により計算した割合とする。

≪算式≫

         視察等の業務に従事したと認められる日数                  

視察等の業務に従事したと認められる日数+観光を行ったと認められる日数

      

       ※2 損金等算入割合

         損金等算入割合は、業務従事割合を10%単位で区分した

         ものとするが、その区分に当たり業務従事割合の10%未

         満の端数については四捨五入する。

1.日数の区分

  業務従事割合の計算の基礎となる日数の区分は、おおむね次による。

(1)日数区分の単位は、昼間の通常の業務時間(おおむね8時間)を1.0日としてその行動状況に応じ、おおむね0.25日を単位に算出する。ただし、夜間において業務に従事している場合には、これに係る日数を「視察等の業務に従事したと認められる日数」に加算する。

(2)「視察等の日数」は、次に掲げるような視察等でその参加法人又は個人の業種業態、事業内容、事業計画等からみてその法人又は個人の業務上必要と認められるものに係る日数とする。

イ.      工場、店舗等の視察、見学又は訪問

ロ.      展示会、見本市等への参加又は見学

ハ.      市場、流通機構等の調査研究等

ニ.      国際会議への出席

ホ.      海外セミナーへの参加

ヘ.      同業者団体又は関係官庁等の訪問、懇談

(3)「観光の日数」には、次に掲げるようなものに係る日数が含まれる。

イ.      自由行動時間での私的な外出

ロ.      観光に附随して行った簡易な見学、儀礼的な訪問

ハ.      ロータリークラブ等その他これに準ずる会議で、私的地位に基づいて出席したもの

(4)「旅行日の日数」には、原則として目的地までの往復及び移動に要した日数とするが、現地における移動日等の日数でその内容からみて「視察等の日数」又は「観光の日数」に含めることが相当と認められる日数(「観光の日数」に含めることが相当と認められる移動日等の日数で、土曜日又は日曜日等の休日の日数に含まれるものを除く。)は、それぞれの日数に含める。

(5)「その他の日数」は、次に掲げる日数とする。

イ.      土曜日又は日曜日等の休日の日数((4)の「旅行日の日数」を除く。)。ただし、これらの日のうち業務に従事したと認められる日数は「視察等の日数」に含め、その旅行の日程からみてその旅行のほとんどが観光と認められ、かつ、これらの日の前後の行動状況から一連の観光を行っていると認められるような場合には「観光の日数」に含める。

ロ.      土曜日又は日曜日等の休日以外の日の日数のうち「視察等」、「観光」及び「旅行日」に区分されない休養、帰国準備等その他の部分の日数。


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